「いらっしゃい。ここは銭天堂(ぜにてんどう)。幸運をもとめる幸運な人だけが、見つけられる店でござんす。幸運なお客さんのおのぞみは、この紅子さんが、きっとかなえてさしあげましょ」
髪は真っ白、顔はしわ一つない、古銭柄の赤紫色の着物のおばさん。みょうに迫力があります。銭天堂のおかみです。だれでも銭天堂に行けるわけではありません。
おかみの福引用の箱を回して出てきた玉に書いてある〇〇年の〇〇円玉を持っている幸運?な人だけがこの駄菓子屋さんで、のぞみの駄菓子を買うことができます。
けど、あわててはいけません。駄菓子には注意書きがありますので、ちゃんと読んでからたべてくださいね。そうしないと・・・。
変わった名前の付いた駄菓子がいっぱいです。この物語に出てくるのは「型ぬき人魚グミ」「猛獣ビスケット」「ホーンテッドアイス」「釣り鯛焼き」「カリスマボンボン」「クッキングツリー」
物語の中にはいろんな問題を抱えた子どもや大人が登場します。おかみのすすめる駄菓子を買って、幸せを手に入れた人もいれば、正しく使わなかったために取り返しのつかないことになった人も。
銭天堂が閉店した後、おかみは、幸運の招き猫に替えた人はよかったと思い。そうでなかった人を口惜しく思います。そんな思いを抱きながら、また銭天堂は店を開きます。
『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』 廣嶋玲子 作 jyajya 絵 偕成社 2013年
ISBN 978-4-03-635610-2

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