ヨセフはコートをもっていました。つぎはぎだらけのコートです。そのコートをジャケットにつくりかえ、またそれもつぎはぎになり、いろいろつくりかえていくうちに、どんどん小さくなっていきます。ヨセフはつくりかえるたびに、いろんなところにでかけて、たのしくくらしています。そしてコートはとうとう・・・。そしてヨセフはそのことをあるものにします。
作者のシムズ・タバックさんは、この本でコルデコット賞を受賞しました。つぎはぎだらけを作り直して、大事に使っていましたが、このお話の中で、ヨセフは、自分がこの世からいなくなったとしても、ずっと残るものに変えます。みなさんも、やってみてはどうですか。
絵本は切り抜き絵本になっていて、もとのコートが小さくなっていくところが切り抜かれています。どんなふうになっていくか見るのも楽しい絵本です。この絵本を読み聞かせするときやストーリーテリングするときは、画用紙でコートを作って、折りたたんで、ヨセフが作り替えたようなものに変わっていく、そんな小道具を使うと、子どもたちは喜びますよ。
『ヨセフのだいじなコート』シムズ・タバック 作 木坂涼 訳 フレーベル館 2001年
ISBN 978-4-577-02297-9