4月、シジュウカラはさまざまな種類の虫を食べて栄養を取っている。シジュウカラの巣は、住宅のちょっとした隙間や、木のうろ、使わなくなったバイクの燃料タンク、空き缶など、バラエティに富んでいる。
鳥たちは巣作りの名人。また、アオゲラの作った巣をシジュウカラが乗っ取ったりすることもある。
ハシブトガラスは、都会に住んで、ゴミの中の好物をあさる。まるで、夜明けの宴。驚いたのは、モズの猛禽ぶりだ。彼らの狩りは、虫はもちろん、カエルや、カナヘビ、ネズミやアメリカザリガニ。10月ごろは、こうした獲物を、木の枝に突き刺す。モズのはやにえといわれる光景だ。
ツバメやアオハズクの巣の下には、えさになった虫たちの食べかすが散らばっている。
秋は鳥たちの移動の季節。空高く群れた隊列になって飛んでいく姿が見られる。
11月、カキの実がなる。カキの実は鳥たちの大好物だ。ムクドリたちも集まってきて、大みそかには全部食べつくしてしまった。
青い背中がきれいなカワセミは、魚とりの名人。一瞬の間に魚をとらえて、枝にたたきつけて一撃を浴びせる。
秋の終わりから冬の間はカモたちの求愛の季節。ハクチョウたちもやってくる。新潟の瓢湖はオオハクチョウとコハクチョウでいっぱいになる。
この『野鳥記』は四季を追って、きれいな写真で鳥たちのさまざまな生態を伝えています。見たことのないいろんな姿が見られる写真集です。
『野鳥記』平野伸明 著 福音館書店 1997年
ISBN 978-4834014280