すばらしき父さん狐

児童文学

 三人の農場主が谷間に住んでいました。それぞれ、ニワトリの養鶏場(ようけいじょう)を営むブヨブク、アヒルと、ガチョウの飼育場はブクゼニ、七面鳥の飼育場はゼニシブリ。変な名前だねえ。そして三人ともずいぶん羽振りがいい生活してますが、悪どい性格です。谷間を見下ろす丘の上の森に、一本の大木。木の下の穴の中に狐の一家が住んでいました。狐の父さんは、農場の獲物をいつもいただいていました。狐のお母さんと子どもたちに食べさせるために。
 ブヨブクとブクゼニとゼニシブリは相談します。そして、あるとき父さん狐が獲物を狙っていると、銃声が・・・バンバン!父さん狐は尻尾をやられてしまします。狐一家は、穴を掘って逃げる逃げる。おなかはぺこぺこです。そこで父さん狐はいいことを思いつきました・・・。
 穴熊も加わって、大作戦開始です。最後は地面の下の穴で暮らす大勢の仲間たちも集まって・・・。

 作者のロアルド・ダールは、ストーリーテラーとしても有名ですね。お話にはこの物語の農場主のような意地悪キャラクターもよく出てきます。独特の面白いストーリーは、彼が戦争で生死の境をさまよったことも影響しているようですよ。ロアルド・ダールの本の挿絵を担当しているのはクェンティン・ブレイクです。彼は王立美術協会で教鞭をとりながら何人かの児童文学作家と共作しています。二人ともイギリス出身です。

 この児童文学の『すばらしき父さん狐』(原題:Fantastic Mr. Fox)を原作に映画が作られました。それがストップモーションアニメ映画の『ファンタスティック Mr.FOX』(Fantastic Mr. Fox:2009年公開)です。

『すばらしき父さん狐』(ロアルド・ダールコレクション4)ロアルド・ダール 作 クェンティン・ブレイク 絵 柳瀬尚紀 訳 評論社 2006年
ISBN 978-4-566-01413-8

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