上海図書館と徐家匯蔵書楼

情報と図書館

2019年に上海図書館と徐家匯蔵書楼(じょかかいぞうしょろう)を見学する機会がありました。
その時の様子をご案内します。

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上海図書館

上海図書館正面

上海図書館に早朝到着すると、開館前に階段下まで行列ができていました。
入り口では、荷物検査を受けます。

インフォメーションのロビー

インフォメーションのロビーには大きな液晶掲示板があました。

このモニターは、リアルタイムに利用状況の数値を表示しています。いきなり上海図書館のデジタル技術の進展にびっくりです。

利用者登録カウンター

自動の利用者登録申請の機械があり、その向かいに利用者登録カウンターがありました。
旅行者でもパスポートで登録が可能だそうです。

上図書館は1952年、上海科学技術情報研究所は1958年に設立されました。
1995年、 その二つが併合し, 国家博士研究員科学研究ワークステーション、 文化観光部公共文化研究保護拠点、中国文化情報資源共有プロジェクト上海支部、上海市古書保護センター、上海市図書館総合センター、上海市ソフトサイエンス研究拠点「先進技術推進研究センター」、上海文化クリエイティブ産業情報センターなどの機能を持っています。
2019年時点で、文献は約5,600万冊(点)です。

族譜閲覧室

次にご紹介するのが、 族譜閲覧室です。

中国では、家系(族譜)というものを大事にしています。自分のアイデンティティとして、どういう系譜を経て、自分が今いるのかということがとても大切らしいのです。

家系図(族譜または家譜)の作成というのが、普通に行われています。

孔子等著名な人物の家譜も紙資料としてそこに保存されていました。
それらは, 徐々にデジタル化されているそうです。そのデータベースは、「家谱数据库」 (http://search.library.sh.cn/jiapu/)として、姓や地域からも検索できます。

わたしたちでも、上海図書館のサイトから自分の家譜の公開が可能ということです。もちろん、公開・非公開は選択できます。プライバシーに厳しい人は無理ですが。

修復作業室

次に修復作業室をご紹介します。
時代的には、主に清代の資料になります。

修復や拓本をとる作業をしているところです。

拓本は壁に貼って乾かすようです。

博物館で行う修復方法と同じ技術です。

作業をしていおられる方は、 博士号を持った専門職員だそうです。
時間と労力のかかる作業です。

产品体验区(製品体験エリア)

次は产品体验区(製品体験エリア)の紹介です。

科学研究イノベーションを支援・推進しています。また、技術の新規性調査や特許分析なども担っています。

3Dプリンタも設置されていました。

新読書体験閲覧室「創・新空間」

次は、新読書体験閲覧室「創・新空間」です。

スマホ図書館、電子書籍リーダー貸出サービスなどを実施しています。

中国の図書館では資料のデジタル化が早くから進んでいます。

中国文化名人手稿館

次は、中国文化名人手稿館です。そこには、文化人による手書き原稿等の展示がされていました。

徐家匯蔵書楼

徐家匯蔵書楼は、徐匯区の徐家匯に位置しています。

現在の敷地内の徐家匯は、北と南の建物で構成されています。

北館

北側には、1897年に建てられた2階建てのヨーロッパ風のレンガと木材の構造です。

1階は中国のコレクション、2階は西洋言語に分けられ、「BibliothecaMajor」という名前が付けられています。

書庫を紹介します。東洋と西洋の交錯した雰囲気のある書庫でした。

北の建物の2階にある、西洋の神学と中国学の人間の遺産を保存した古い西洋のコレクションは、バチカンの分類に厳密に準拠して編成されています。
この下の写真の資料の分類は、バチカン図書館の模倣です。

36のメインカテゴリと286のサブカテゴリのシステムです。

中国のコレクションを保管していた北館1階は、明王朝時代に設立されたスタイルになっています。

南館

南側のもう1つは「イエズス会の邸宅」と呼ばれ、1867年に建てられ、1931年に4階建ての邸宅に拡張および改装されました。

徐家匯蔵書楼は、1956年に上海図書館の支部になりました。

王立アジア協会北中国支部図書館、海光西部思想図書館、国際中国研究所図書館、上海市議会公立図書館など、他にもいくつかのユニークな図書館がありました。

徐家匯蔵書楼は、2003年に、初期の市営地下鉄の建設に道を譲るために一時的に閉鎖された後、改装されて再開されました。

現在、ユーザーへのサービスを再開し、この地域の新しい地元のランドマークであると同時に、都市の人々、さらには国の人々の文化的生活の拠り所となっています。

コレクションとサービス

利用者サービス、コレクションの保存、ドキュメントの研究開発の機能を有します。

南館の1階は現在、中国のコレクション、文書展示、ワークショップ活動に使用されています。

2階はメインの閲覧室です。30席の収容能力があります。また、レファレンスサービスが提供されています。

上海図書館には、1477年から1950年にかけて発行された75万冊の古い外国の出版物があり、そのうち32万冊が現在の徐家匯蔵書楼に集められています。

コレクションには、ラテン語、英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、日本語など、20近くの異なる言語が含まれ、哲学、宗教、政治、経済、言語学、文学、芸術、歴史、地理などの分野をカバーしています。

その中で、1800年以前の西洋言語の珍しい版、初期のロシア語と日本語の文書、カトリック神学と中国学に関する資料は大切に保存されています。

徐家匯蔵書楼から見た外の景色はこんな感じでした。

外灘観光

見学が終わった後は、定番の観光スポット、外灘に行ってきました。

対岸の浦東のビル群が夕日に照らされています。

レトロな建築物が立ち並ぶ街並み

買い物コース

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