世界で最も権威があるといわれている「ノーベル賞」は、ダイナマイトの発明で知られているアルフレッド・ノーベルの遺言によってつくられました。彼は、数多くの特許で莫大な遺産を残しました。
彼の遺言執行人のソールマンは、遺産の94パーセントにあたる大金で財団を設立し、賞の運営を行うようになりました。
5年の大変な準備期間を経て、第1回の授賞式が1901年12月10日に行われました。
アルフレッドは、すぐに爆発してしまう取り扱いの困難なニトログリセリンを使い、持ち運びに安全なダイナマイトを作りました。これは、様々な建設にとても役立つものでした。
アルフレッドはが43歳の時に、のちに平和活動家となるベルタという女性に出会い影響を受けます。アルフレッドは、人々が戦争など起こす気にならないほどの強力な爆薬を作ることで、世界は平和になると考えていました。
しかしそうはならなかったのです。ベルタの考えはこのアルフレッドの考えとは違っていました。
あるとき、アルフレッドが2番目の兄の死とまちがえられて、新聞に「死の商人、死す」と誤報され、ショックを受けます。このことが、ノーベル平和賞につながります。
ノーベルの遺言では、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和の5部門が記されていました。
のちに、スウェーデン国立銀行の300周年を記念して、その銀行の出資で、経済学賞が加わりました。
ノーベル賞はそれぞれの賞は3人までとなっていますが、時代とともに研究のあり方も共同研究が多くなりつつあります。
また、平和賞の考え方も、国際平和という視点から、人権なども含めたものへと変わってきています。
この本では、ノーベル賞の歴史、選考の方法、日本人のノーベル賞受賞者、受賞した偉人たちなど、ノーベル賞について詳しく解説しています。
『ノーベル賞とアルフレッド・ノーベル』(調べる学習百科)こどもくらぶ 編 岩崎書店 2019年
ISBN 978-4-265-08638-2