マチルダは、三歳になると字が読めるようになり、四歳になるとすらすら本が読めるようになりました。
けれどマチルダの両親のワームウッド夫妻は、マチルダの天才ぶりなんてまるで興味がなく、それどころかマチルダを邪魔にしか思っていませんでした。
マチルダが本を読むことが大好きなのに、両親は本を読むことは大反対。マチルダは図書館で本を借りて読んでいました。
ワームウッド一家の夕飯は、テレビにくぎ付けで、マチルダ以外、両親と兄はテレビドラマにしか興味がありません。いつもマチルダが正しいことをしても、両親は、間違っているといいます。
けれど、マチルダはそんな両親に負けてはいません。いたずらで反撃します。
教育に全然無関心なマチルダの両親は、遅れてマチルダを学校に通わせることになります。その学校ではとってもやさしいミス・ハニー先生が担任でした。
ハニー先生はマチルダの天才ぶりに気が付きます。ところが、その学校の校長先生、ザ・トランチブルは、とんでもない意地悪な怪物のような人でした。
あるとき、校長の授業でマチルダの怒りが最高潮に達したとき、マチルダに不思議な力が・・・。
この本の原題は『Matilda』(マチルダ)です。
1996年に、ダニー・デヴィート監督で、映画にもなりました。原作の中では、とんでもない児童虐待の問題が取り上げられています。
けれど、物語は、小さな少女を力強く描いており、理不尽な大人たちに、最後は大逆転します。また、読書がいかに大切かということも描かれています。
たくさんの読書は、子どもたちに生きる力を与えてくれます。
『マチルダは小さな大天才』
ロアルド・ダール 作 クェンティン・ブレイク 絵 宮下嶺夫 訳 評論社 2005年
ISBN 978-4-566-01425-1