きょうは、おおかみ

きょうは、おおかみ 絵本

この絵本は、バージニア・ウルフとその姉ヴァネッサ・ベルをモチーフにしています。バージニア・ウルフは、ヴィクトリア朝の知的環境の中で育ち、両親の死後、ケンブリッジ大学出身者で形成された、ブルームズベリー・グループというイギリスの知識人、芸術家のグループに参加しています。

少女時代は、強度の神経症を患い、その症状が出たときの姉や弟とのかかわりがこの絵本の中に描かれています。彼女の名前の”woolf”の”o”が抜け落ちて、彼女の精神状態を”wolf”(おおかみ)と表現したことが、この絵本のタイトルです。

みんなは、こわがって近寄りませんが、お姉さんのバネッサだけは違いました。バネッサは、バージニアの話し相手になってあげて、「どこに行きたい?」と聞きます。バージニアは、「ブルームベリー」と答えます。

ブルームベリーは地図にはありません。どんなところか、バージニアはブルームベリーの絵を描きます。それは花が咲き、甘い木の実や草の実のなる素敵なところでした。

バージニアはにっこり笑って・・・。

『きょうは、おおかみ』キョウ・マクレア文,イザベル・アーセノー絵,小島明子訳,きじとら出版,2015年 ISBN978-4-905214-01-1


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