マックスがおおかみのぬいぐるみをきて、いたずらをしいると、おかあさんに怒られて寝室にと放り込まれてしまいます。子どものころ家にいるといろんな空想にふけることがあります。そのうち、それが頭の中の空想なのか現実なのかわからなくなることもあります。マックスの寝室には、どんどん木が生えてきて、森になったり、波が打ち寄せて海になったりします。船に乗って公開に出かけたマックスは、大きな目をした歯や爪の鋭いいろんなかいじゅうたちに出会います。一見とても怖そうなかいじゅうたちですが、マックスはかいじゅうたちをにらみつけたので、かいじゅう王国の王様になります。やがて、かいじゅうたちと遊び疲れるとマックスは・・・。
空想しながらいつの間にか眠ってしまい、夢の中でその空想の続きを見て楽しんでいる自分がいます。楽しい夢なら、途中で目が覚めたとき、続きが見たいともう一回寝ようとしたこともよくありました。
夢の中で、屈強で怖そう、それでいてユーモラスなかいじゅうたちの王様になる気分を味わえる本です。
作者のモーリス・センダック(1928-1012)は、この『かいじゅうたちのいるところ』(原題:Where the Wild Things Are 1963年出版)で、1964年にコールデコット賞をとりました。彼はニューヨークに生まれたユダヤ人移民でした。舞台芸術など多彩であり、この『かいじゅうたちのいるところ』の映画化(2010年1月15日 スパイク・ジョーンズ監督)にも携わりました。
『かいじゅうたちのいるところ』 モーリス・センダック著, じんぐう てるお訳 福音館書店 1975年 ISBN978-4-572-00215-0