軽業師が、綱渡りで足を踏み外して「おっとっとっとっと。あーーーーっ。」あの世へいってしまいよった。そこで出会ったのが、歯抜き師、医者、山伏。
三途の川を渡って、閻魔はんのとこまで連れていかれよった。それがまた、忙しい閻魔はんは、ええ加減なお裁きや。四人とも地獄へ行くことに。そこで巻き起こすおもろい大騒動。
このお話は、上方落語の「地獄八景亡者戯」(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)という演目です。三代目桂米朝の十八番としても知られています。落語では、あの世に寄席や芝居小屋も出てきます。かつての名優の芝居が見れたり、歌舞伎の勧進帳では、団十郎が勢ぞろいで出てきたり、これを演じていた三代目桂米朝も、話の中で、寄席の看板に「近日来演」と自身を登場させたり、当時の時事ネタも織り込んで、落語家によって、いろんなバリエーションがあります。通しでやると非常に長い演目です。
この落語に登場する軽業師は、同じく上方落語の「東の旅」のなかの「軽業」という演目にも登場しています。
このお話は、兵庫県の昔話で、『子どもに語る 日本の昔話 1』(こぐま社)にも「地獄からもどった男」として再話されています。こちらの登場人物は、手品師、かじや、歯医者の三人です。この本の昔話は、覚えやすくて語りやすいため、ストーリーテリングに適しています。
絵本の『じごくのそうべえ』には、『そうべえごくらくへゆく』『そうべえまっくっろけのけ』『どろんこそうべえ』『そうべえふしぎなりゅうぐうじょう』と続きがあります。
『じごくのそうべえ』田島征彦作 童心社 1978年 ISBN978-4-494-01203-9
『子どもに語る 日本の昔話 1』稲田和子, 筒井悦子著 こぐま社 1995年 ISBN4-7721-9019-8