山のなかに住んでいると、いろんな鳥がやってきて、鳥たちの生活が観察できます。ヒヨドリ、ヤマガラ、メジロ、ヒヨドリ、シジュウカラ、エナガなど、そのほかにもたくさんの種類の鳥が登場します。冬になると、えさをあげています。冬も終わるころには巣箱をつくってあげます。春になると、鳥たちは自分たちで巣作りを始めます。ネコの抜け毛はヤマガラが取りに来て、エナガはマユの糸とコケで、ウグイスはささの葉、ホオジロはすすきのかれ葉と、みんな材料が違うし、形も違います。卵を産んでひなが育っていきます。そのひなをアオダイショウがねらっています。緑が深くなって、雨の季節、風や嵐の中でもひなたちは元気の育って、夏、ひなたちは巣立っていきます。秋、鳥たちの巣は空になり、また冬がやって来ます。
作者の鈴木まもるさんは、鳥の巣の専門家で、山のなかに住んで畑仕事もしながら、こうした鳥たちを見守って家族と暮らしています。鳥が巣立った後のいろんな鳥の巣を保存しておられて、日本中、いろんなところで鳥の巣の講演をされています。そのとき、アンティークなトランクに鳥の巣を入れて、講演されていました。外国の鳥の巣も集めておられて、とっても楽しいお話でした。
この絵本には、鳥たちや鳥の生活、鳥の巣の絵が、細かなところまで、優しいタッチで描かれています。自分たちが暮らす街のなかにも、いろんな鳥の巣があるかもしれませんね。
『ぼくの鳥の巣絵日記』鈴木まもる 作・絵 偕成社 2005年
ISBN 978-4034373507